子育ての話になったら、いつも一番大切なのは「言葉遣い」と答えています。また、それを心がけてきました。
人並み以上の事はしていませんので何も偉そうには言えませんが、考え方、行動、人間関係全ての元になるのは「言葉」だと思っています。
譬えば感情。言葉がなかったら人間には原始的な「喜怒哀楽」しかありません。喜び一つとっても、「歓喜」「悦楽」「愉悦」「狂喜」、「心が躍る」「有頂天」…と色んな種類の喜びがあります。これらはもし語彙がなければ存在しない、理解し得ない感情になってしまいます。ですから一つはボキャブラリーを増やすと云う事。ひとつの事象を的確に言い表せるようになる事が大切です。
それからもう一つは汚い言葉を使わないと云う事。「やばい」は江戸時代の博徒の言葉ですし、「まじ」は遊郭の言葉です。「うざい」は奥多摩地方の方言「うざったい=鬱陶しい」を若者っぽく変化させたたもの。何れも良い言葉とは言えません。ですから子供たちには「もし街でやくざに追いかけられたら、その時は『やばい』を使ってもいいよ」と言っています。笑
ただ、いつの時代も若者は悪い言葉や新しい言葉を使いたがるし、仲間内だけで通じる隠語も多々あるものです。それは誰もが通る道で、それを全部ダメだと言うつもりはありません。ただ、親が繰り返し言い続けているとそれは必ず頭の片隅に残っているはずです。そんな言葉を使う場面になった時に、ちらっと親の顔が脳裏をよぎってくれたらそれでいいと思っています。わが家でも「やば…」までで止めている姿をよく耳にします。
知り合いに、どんな言葉が汚い言葉なのかわからない、と訊かれたことがあります。大雑把に言うと音が汚い言葉は概ねよくないのではないかと思いますが、そんなに厳密に考える必要はありません。口に出す前にどうかな?と一瞬考えるだけで随分変わってくるのではないでしょうか。
「言霊」と言うように、言葉はやはり大きな力を持っていると思います。